税金滞納」倒産が10年で最多。
東京商工リサーチの集計によると、2026年1〜6月に発生した「税金滞納(社会保険を含む)」を伴う倒産は126件となり、前年同期から53.6%増と急増、上半期として100件を超えたのは、2017年以降の10年間で初めてとなるのだそうです。

負債総額は、169億7,700万円で前年同期よりは減っているとはいえ、金額ベースでは小ぶりな案件が中心とはえ、件数は確実に増えており、最大の倒産は千葉県のトモサービス(破産)で負債は13億5,400万円。
負債5億円以上の事例は6件にとどまる一方、5,000万円未満が44件を占め、小規模な破綻が目立っていて、税金や社会保険料をきちんと納められなくなった会社が、小さな規模から増えてきています。
小さな会社ほど追い込まれる構図
「税金滞納」倒産を資本金別でみると、1,000万円未満の企業が75件と全体の約6割を占め、事業規模が小さいほど、資本のクッションが薄く、税金や社会保険料の支払い遅れが倒産に直結しやすい状態にあります。
業種別では、飲食店を含むサービス業他が43件(構成比34.1%)、建設業が24件(同19.0%)と、この2分野だけで全体の半数を超え、サービス業や飲食は原材料費や人件費の影響を直接受けやすく、建設業は資材費の高騰や受注価格とのギャップに悩まされています。
従業員として働く立場から見ると、「人手不足なのに会社の台所事情は厳しい」という感覚に近く、取引先企業との関係でも、表面上は普通に見えても、裏側では資本金や負債規模が小さな会社ほど行き詰まりやすい構造がにじんでいます。
企業の収益環境を圧迫している要因として、円安による物価高、金利の上昇、中東情勢の悪化などがあり、輸入に依存する資材や食材の価格が上がり続ける一方で、借入金の利息負担も重くなりやすく、加えて、賃上げの動きが広がったことで、企業側の社会保険料負担も増加しています。
こうしたコスト増を販売価格に十分転嫁できていない企業ほど、手元資金が薄くなり、優先順位の低い支払いから遅れ始めています。
税金や社会保険料の納付に苦しむ企業が増えている背景には、「値上げをしづらい」「顧客離れが怖い」といった心理もあり、家計側から見れば、賃上げや物価高のニュースの裏で、雇用を支える企業がどこまで持ちこたえられるのか、という問題が静かに進行しています。
滞納はなぜ「再生の壁」になるのか 
税金や社会保険料の滞納は、単に支払いが遅れているだけの問題だけではなく、金融機関や取引先が与信を判断する際、滞納の有無は重要なシグナルとして見られ、東京商工リサーチも滞納に関する取引照会が依然多いと指摘しています。
滞納が表面化すると、新たな融資が受けにくくなり、取引条件が厳しくなるなど、事業再生のために必要な選択肢が狭まり、調査では、こうした状況が事業継続を阻む「高い障壁」となっていることを示しています。
企業側には事業の見直しや収益改善に向けた自助努力が求められる一方、関係機関には、事業を継続させながら徴収する体制への見直しも課題として浮かんできており、働く人や取引先の立場から見れば、「支払えないから即退場」ではなく、再生の道筋をどう確保するかが自分の生活やビジネスにも直結してくる。

