コロナ融資後倒産、過去最多
コロナ融資を受けた後に倒産するという「コロナ融資後倒産」が急増しているのだそうで、2022年6月までに判明したコロナ融資後倒産は、累計で362件に達したのだとか。
このうち、2022年（1～6月）の累計は181件となり、6月時点で前年の166件を上回り年間最多を更新しているようです。
当初1カ月で平均2件前後の発生にとどまるなど少数で推移したものの、コロナ禍から1年目が経過した21年2月以降は10件を上回るペースになり、2年目を迎えた22年3月以降は月間30件を超え、5月は月間最多となる43件に達していました。
コロナ融資後倒産については、最初の発生から100件まで1年1カ月を要したのに対し、200件までの到達期間は6カ月と2倍のスピードとなり、コロナ融資後倒産の発生ペースが加速しています。
また、実際の融資額が判明した約120社における1社あたりのコロナ融資借入額平均は約6000万円で、全体のコロナ融資損失総額は推計で217億2000万円にものぼり、国民一人当たり170円の負担が既に発生している計算になるようです。
今年2月に帝国データバンクが実施した調査によれば、コロナ融資を受けた企業のうち約1割は「返済に不安がある」と回答しており、長引くコロナ禍で業績回復が遅れている中小・零細企業にとって、かえってコロナ融資は大きな重荷となっているようです。
既にコロナ融資を運転資金などで使い切っているケースも多いなか、返済開始が本格化する今夏以降、収益力が戻らず返済原資の確保ができない企業の「あきらめ」による倒産が急増する可能性が高まっています。
